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2016年3月11日 (金)

浪江町の悦ちゃんへ

悦ちゃん、お元気ですか。

去年の夏の終わり頃、メールで連絡し合ってから

もう半年近く経ちましたね。

時間が経つのは早いものだね。

小さくて可愛い小もの集めが好きだった悦ちゃん、

あれからまたコレクションは増えていますか?

あの「キュリンピック」のキューピー達は仲良くやってますか?

一緒に送ったビリケン3兄弟と喧嘩してなきゃいいのだけれど。


東日本大震災から5年を迎えた今日・・・なんて

不意に思い出したかのようにテレビやニュースで

あちこち特集組んで放送してるけど

悦ちゃんや家族の方や被災者の人たちにとって現実は

あの日からずっと変わってない。変わらない。


福島の浪江町で親子5人。

夫婦で小さな会社を起ち上げて、3人の子供達も大きく育ち

ようやく事業もなんとか起動に乗り始めた矢先に

あの日が来たね。

平穏な日々はみんな一瞬にして過去のものになってしまった。

見慣れた浪江町の姿は、町の営みはもう望めそうにないほどに。

でも、本当の辛さはむしろ震災後だったね。


津波で行方不明になってしまったパパの代わりに

長男君が、急きょ仕事を引き継いでくれたって。

二人だったら頑張れるって、悦ちゃん喜んでいたね。

悲しい状況から立ち上がって親子4人、何とかやっていこうって

決めたのに。


朝も晩も惜しんで働いていたから、毎日目まぐるしく忙しかったから・・・。

気付いてあげられなかったね、長男君の変化に。

日に日に食欲や口数が減ってきていることに。

頼もしかった背中が段々小さくなってきていることに。

優しい笑顔の下で、

家族の期待と周りからの重圧を一身に引き受けて

耐えきれない程のプレッシャーを感じて

苦しい思いを一人で抱え込んでいたことに。


自らの命を絶って逝ってしまった君を

誰も責めることは出来ないよ。ただ一人を除いては。


悦ちゃんは自分を責めたけど。

震災時だけじゃなく、震災後もどん底を味わうなんて

2回も人生が終わることになるなんてと、泣いていたけど。

私はどうすることも出来なかった。何も言えなかった。

言葉が見つからないくらい、現実は残酷すぎたから。


ごめんね、悦ちゃん、あの時一緒にいてあげられなくて。


震災直後だけじゃなく、震災後も、むしろその後の方がずっと

辛くて苦しい現実があると、報道や記事に書かれていない

まだ知られていない事実を、現状を

もっと色んな人に知ってほしいって悦ちゃんは言ってたね。

私も本当にそう思うよ。


そういえば、悦ちゃんがまだ悲しみから立ち直れてなかった時に、

少しでも気が休まるようにって、

元々好きだった人形や雑貨コレクションを薦めてくれたのは、

次女の娘ちゃんだったんだよね。

それから収集に少しずつ身が入り、少しずつ笑顔の出る日も増えて。


娘ちゃんが

こっちの大学だったって聞いた時にはびっくりしたよ。

もしかしたらどこかで会っていたかもね。

今年大学卒業だね。おめでとう。私も本当に嬉しいよ。


去年車で岩手に帰省した際、常磐自動車道線上からのぞく浪江の町は

人気は無く、人家はひっそり静まり返って雑草が伸び切り

汚染土壌の入った黒いビニールの山だけが至るところに眼に付いた時

現地の人にとっては復興とは気休めの現状とは程遠い言葉なんだなと

改めて感じたって伝えたら、悦ちゃんも困ったようにうなずいてたね。

あの日もあの後のことも忘れないよ。


今年会えたらいいな。

身体大事にしてね。


モコより


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